【8月11日 AFP】防衛省は10日、レーダーに映りにくいステルス性を持つ国産戦闘機の開発を視野に入れた「先進技術実証機」を開発することを決めた。5年以内の初飛行を目指す。東京新聞(Tokyo Shimbun)が11日報じた。

 国産戦闘機の実証機開発の背景には、米軍が超音速飛行の可能なレーダーに捕捉されにくい最新鋭戦闘機「F22ラプター(Raptor)」の対日輸出に消極的な姿勢を変えない事情があるが、東京新聞によると、「戦闘機の売り込みを図る米国の反発も予想される」という。

 これまでの報道によると、防衛省は有人実証機の開発費を来年度予算の概算要求に盛り込む方針。

 米国の国内法は現在F22の輸出を禁じているが、米国は今年初め、F22を日本に派遣し、北朝鮮をめぐる緊張を抱える日本との安全保障関係を強調した。F22が米国外を飛行するのはこれが初めてだった。

 防衛省は、F22、欧州4か国が開発したユーロファイター(Eurofighter)、米英などが共同開発したF35など6機種をF4戦闘機の後継候補として上げている。

 日本政府は1970年代のF1支援戦闘機以来、純国産戦闘機の開発援助を行っていない。現在の主力戦闘機F15は米国とのライセンス契約で国内生産されている。(c)AFP