パキスタン大統領、非常事態宣言はなしと決断
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【8月9日 AFP】国内の治安悪化進行に対処するため、非常事態宣言の発令を検討中と伝えられていたパキスタンのペルベズ・ムシャラフ(Pervez Musharraf)大統領は9日、宣言を発令しないことを決定した。
大統領との会議に出席したパキスタン政府高官によると、側近らが提案した非常事態宣言の発令を大統領は拒否したという。発令すれば翌年予定されている選挙は延期されるとみられていた。
1999年に陸軍参謀長としてクーデターで政権を掌握したムシャラフ大統領は現在、就任以来最大の危機に直面している。2006年には最高裁長官に停職処分を下した後、野党を中心に国内各地で大規模な抗議が発生した。職務停止処分は後に最高裁で覆され、ムシャラフ氏の権力強化が狙いだったと批判を受けた。
またアフガニスタンとの国境地帯における武装勢力の取り締まりにも批判が高まっている。国外追放とされた政敵が2008年の選挙出馬を目指して帰国を試みている点も、大統領に対する圧力の一つとなっている。
非常事態宣言の発令については大統領自身ちゅうちょしていたが、側近らが強く勧めていたと政府筋が明かしている。側近の提案を退け、発令を最終的に拒否したのは、2008年初頭に選挙が控えていることを考慮してだと大統領筋が伝えている。
側近の一人は「大統領は自由で公正な選挙を日程通り行うことを願っている。この目標にとって障害となるいかなる措置にも賛成する気がない。さらに非常事態宣言の発令を要する状況ではないと考えている」と述べた。
非常事態宣言が発令されれば自動的に現在の議会の任期が12か月延長されるほか、司法権限や市民的自由が制限される。(c)AFP
大統領との会議に出席したパキスタン政府高官によると、側近らが提案した非常事態宣言の発令を大統領は拒否したという。発令すれば翌年予定されている選挙は延期されるとみられていた。
1999年に陸軍参謀長としてクーデターで政権を掌握したムシャラフ大統領は現在、就任以来最大の危機に直面している。2006年には最高裁長官に停職処分を下した後、野党を中心に国内各地で大規模な抗議が発生した。職務停止処分は後に最高裁で覆され、ムシャラフ氏の権力強化が狙いだったと批判を受けた。
またアフガニスタンとの国境地帯における武装勢力の取り締まりにも批判が高まっている。国外追放とされた政敵が2008年の選挙出馬を目指して帰国を試みている点も、大統領に対する圧力の一つとなっている。
非常事態宣言の発令については大統領自身ちゅうちょしていたが、側近らが強く勧めていたと政府筋が明かしている。側近の提案を退け、発令を最終的に拒否したのは、2008年初頭に選挙が控えていることを考慮してだと大統領筋が伝えている。
側近の一人は「大統領は自由で公正な選挙を日程通り行うことを願っている。この目標にとって障害となるいかなる措置にも賛成する気がない。さらに非常事態宣言の発令を要する状況ではないと考えている」と述べた。
非常事態宣言が発令されれば自動的に現在の議会の任期が12か月延長されるほか、司法権限や市民的自由が制限される。(c)AFP