【8月8日 AFP】訪米中のハミド・カルザイ(Hamid Karzai)アフガニスタン大統領は6日、ワシントンD.C.(Washington D.C.)郊外のキャンプデービッド(Camp David)でジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)米大統領と会談し、アフガニスタン情勢の安定化のため、隣国パキスタンの協力を仰ぐ考えで一致した。一方、アフガニスタンにおけるイランの影響力については、双方の認識に大きな隔たりがあった。両首脳は2日間にわたって会談を実施していた。

 2日目の首脳会談では、アフガニスタンとパキスタンの両国関係が話しあわれた。両国は9日からアフガニスタンの首都カブール(Kabul)で協議を開催する。ブッシュ、カルザイ両大統領は、同協議を通じてパキスタンによる対アフガニスタン支援が強化されるよう期待する考えを表明した。

 イラン問題では、ブッシュ大統領が同国を「善を推進する力ではない」と非難。核開発疑惑のあるイランの孤立化政策を推進する考えを明示。一方のカルザイ大統領は、前日の会談でイランについて、イスラム過激派に対抗するための「支援者」と表現していた。

 ブッシュ大統領は会談終了後の共同会見で、「現時点でのイランは善を推進する力ではなく、情勢の不安定化をもたらすような影響力を至るところで及ぼしている。米国はイランに対する孤立化政策を継続する」と語った。

 さらにブッシュ大統領は米国、アフガニスタン、パキスタンの3か国協力について、「イスラム過激思想との闘いという問題を共同で解決するため、2国間、3か国間での協力方法を模索する」意向を示した。

 一方、カルザイ大統領は「(アフガニスタン、パキスタンによる協議が)両国の求める成果をもたらすものになると期待し、信じる」と語った。さらに「敵は敗北したとはいえ、今でも山岳地帯に潜んでいる。掃討作戦の完遂は、われわれの責務だ」と述べた。カルザイ大統領は、イランについては言及しなかった。(c)AFP