【8月3日 AFP】ジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)米大統領は2日、レバノンの政治的安定に脅威を及ぼす人物およびシリアのレバノン侵攻を支援する人物らの資産を、米政府が凍結するとの声明を発表した。

 ブッシュ大統領は同日議会でこの声明を発表し国家非常事態を宣言、レバノン政府への脅威となりうるものに対処する意向を表明した。

 脅威となりうるものには、「レバノンの民主化を妨げたり、同国の法治を損なう運動に加担している」とみられる人物などが含まれるとしており、シリアによる同国侵攻や干渉を支援する人物、およびレバノンの統治権を侵害する人物の米国内資産も凍結することを明言している。 

 この非常事態宣言は、国際緊急事態経済権限法(US International Emergency Economic Powers ActIEEPA)に基づき8月1日に発効されたもの。制裁対象者は米財務省および国務省によって指定される。

 権限法の執行対象は、レバノンの政治的安定に脅威を及ぼすとみられる人物だけでなく、その配偶者や子どもも含まれる。また同法により、米国民はレバノンの治安維持に危険と判断された人物との事業の提携が禁止される。さらに、全国の金融企業にもその制裁対象者の情報が伝えられる。(c)AFP