サウジ外相、「イラク安定化への貢献が不十分」との米高官批判に不快感
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【8月1日 AFP】中東歴訪中の米国務長官および国防長官を同時に迎えているサウジアラビアのサウド・ファイサル(Saud al-Faisal)外相は1日の共同記者会見で、駐イラク大使館再開を模索するためにバグダッドへ代表を送る予定だと発表した。一方、「イラクの安定化に十分に貢献していない」とする米高官の批判に対して「心外だ」と異議を唱えた。
■サウジアラビア批判に不快感
ファイサル外相は、コンドリーザ・ライス(Condoleezza Rice)米国務長官およびロバート・ゲーツ(Robert Gates)同国防長官との共同記者会見の席で、イラク側の国境監視が甘く、武装勢力がサウジ側に流入しているとイラクを非難。また、米国の国連大使で前駐イラク大使のザルメイ・ハリルザド(Zalmay Khalilzad)氏によるサウジアラビア批判について、両米長官の前で不快感を表明した。
ハリルザド駐イラク米国大使がが、「サウジアラビアはシーア派のヌーリ・マリキ(Nuri al-Maliki)首相への支持を控え、イラクの安定を損なっている」とサウジアラビアを批判した談話について聞かれファイサル外相は、「彼の発言については非常に驚いた。特に、彼がサウジを訪れた時には、彼自身の口からそのような批判を聞かなかった」と答えた。
共同記者会見の場での「不協和音」に先立ち、同日3者は会談を行い、イラク情勢やイランの核問題から、サウジアラビアへの米国製兵器輸出など広範に及ぶ安全保障協議を行った。
米政府はシーア派イスラム国であるイランによる脅威が増しているとみなしており、それに対抗するためとしてサウジアラビアに200億ドル(約2兆3750億円)相当の兵器売却を計画している。こうした措置にかかわらず両国の間で摩擦が増大している中、米国の国務・国防両長官が異例の同時訪問を行った。
3者会談の内容については、ファイサル外相が「いつもと変わらず率直な話し合いで、効果的、建設的だった」と述べ、 ライス国務長官は「我々は何十年も良き友であり、良き同盟相手であり続けてきた。だからといって政策や作戦で、不一致が起こらないわけではない。最も困難で最も繊細な問題について、尊敬の念と友情を持ちつつ話すことができる、というのが両国の関係だ」と述べた。
■バグダッドに使節を派遣
また、サウジアラビアは駐イラク大使館再開の可能性を検討するため、バグダッドに使節を派遣すると発表した。中東のスンニ派大国であるサウジアラビアと、シーア派が率いる現イラク政権の関係強化につながる動きだ。ライス国務長官は、米政府はイラク周辺国にマリキ政権のとの外交関係強化を奨励してきたと述べ、「(マリキ政権にとって)中東の同一性を確認することは特に重要なこと」と歓迎した。
イラクとサウジアラビアの国境監視についてはファイサル外相が、「われわれができることはサウジ側の国境を守ることで、それはやり続けてきた。必要なのは反対側(イラク側)の行動だと思う。テロリストの往来は、イラク側からサウジ側への流れのほうが多いといえる」と述べ、米軍に緊密な協力を要請中だと明かした。「スンニ派かシーア派かにかかわらず、サウジアラビアとしてはすべてイラク人として認識するだけで、イラクの結束と国内統一に努力する者であれば誰とでも協力する」。 イラクに駐留する米軍兵士15万8000人の撤退については、「完全にイラクおよび米国次第だ」と述べた。
一方、 ゲーツ国防長官は今回の中東歴訪の目的について、サウジアラビアとの安全保障協力を強化する機会を探るためだと述ベ、サウジへの大規模な武器売却案についても示唆した。
ファイサル外相はまた、サウジアラビアとイスラエルの間に国交はないが、ジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)米大統領が今年後半の開催を呼びかけた中東和平国際会議へサウジアラビアは出席する予定だ、と明らかにした。(c)AFP
■サウジアラビア批判に不快感
ファイサル外相は、コンドリーザ・ライス(Condoleezza Rice)米国務長官およびロバート・ゲーツ(Robert Gates)同国防長官との共同記者会見の席で、イラク側の国境監視が甘く、武装勢力がサウジ側に流入しているとイラクを非難。また、米国の国連大使で前駐イラク大使のザルメイ・ハリルザド(Zalmay Khalilzad)氏によるサウジアラビア批判について、両米長官の前で不快感を表明した。
ハリルザド駐イラク米国大使がが、「サウジアラビアはシーア派のヌーリ・マリキ(Nuri al-Maliki)首相への支持を控え、イラクの安定を損なっている」とサウジアラビアを批判した談話について聞かれファイサル外相は、「彼の発言については非常に驚いた。特に、彼がサウジを訪れた時には、彼自身の口からそのような批判を聞かなかった」と答えた。
共同記者会見の場での「不協和音」に先立ち、同日3者は会談を行い、イラク情勢やイランの核問題から、サウジアラビアへの米国製兵器輸出など広範に及ぶ安全保障協議を行った。
米政府はシーア派イスラム国であるイランによる脅威が増しているとみなしており、それに対抗するためとしてサウジアラビアに200億ドル(約2兆3750億円)相当の兵器売却を計画している。こうした措置にかかわらず両国の間で摩擦が増大している中、米国の国務・国防両長官が異例の同時訪問を行った。
3者会談の内容については、ファイサル外相が「いつもと変わらず率直な話し合いで、効果的、建設的だった」と述べ、 ライス国務長官は「我々は何十年も良き友であり、良き同盟相手であり続けてきた。だからといって政策や作戦で、不一致が起こらないわけではない。最も困難で最も繊細な問題について、尊敬の念と友情を持ちつつ話すことができる、というのが両国の関係だ」と述べた。
■バグダッドに使節を派遣
また、サウジアラビアは駐イラク大使館再開の可能性を検討するため、バグダッドに使節を派遣すると発表した。中東のスンニ派大国であるサウジアラビアと、シーア派が率いる現イラク政権の関係強化につながる動きだ。ライス国務長官は、米政府はイラク周辺国にマリキ政権のとの外交関係強化を奨励してきたと述べ、「(マリキ政権にとって)中東の同一性を確認することは特に重要なこと」と歓迎した。
イラクとサウジアラビアの国境監視についてはファイサル外相が、「われわれができることはサウジ側の国境を守ることで、それはやり続けてきた。必要なのは反対側(イラク側)の行動だと思う。テロリストの往来は、イラク側からサウジ側への流れのほうが多いといえる」と述べ、米軍に緊密な協力を要請中だと明かした。「スンニ派かシーア派かにかかわらず、サウジアラビアとしてはすべてイラク人として認識するだけで、イラクの結束と国内統一に努力する者であれば誰とでも協力する」。 イラクに駐留する米軍兵士15万8000人の撤退については、「完全にイラクおよび米国次第だ」と述べた。
一方、 ゲーツ国防長官は今回の中東歴訪の目的について、サウジアラビアとの安全保障協力を強化する機会を探るためだと述ベ、サウジへの大規模な武器売却案についても示唆した。
ファイサル外相はまた、サウジアラビアとイスラエルの間に国交はないが、ジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)米大統領が今年後半の開催を呼びかけた中東和平国際会議へサウジアラビアは出席する予定だ、と明らかにした。(c)AFP