【7月31日 AFP】米下院は30日の本会議で、いわゆる従軍慰安婦問題について日本の首相に公式な謝罪を求める決議を採択した。

 決議は「旧日本軍がアジアの女性らに性的な奴隷状態を強制した歴史的な責任」を日本政府が「明確な形」で「公式」に認めたうえで、日本の首相に謝罪声明を出すよう求める内容。また、日本政府に対し従軍慰安婦の存在やその強制性を否定するいかなる主張も否定し、この「恐ろしい犯罪」を後世に語り継いでいくことも求めている。

 決議が採択された直後、決議の支持者らは「重要なメッセージを日本に送った」と採択を歓迎するコメントを出した。

  一方、塩崎恭久(Yasuhisa Shiozaki)官房長官は決議採択をうけ、慰安婦問題をめぐる問題については安倍晋三(Shinzo Abe)首相が4月の訪米時に「お詫びの気持ち」を表明しているにも関わらず、米下院で決議が採択されたことは「遺憾だ」と記者会見で語った。

 また「20世紀には数々の人権侵害が行われてきたのは事実だ。21世紀を人権が侵害されることのない素晴らしい世紀とするため日本は努力していきたい」と、過去よりも未来を注視する考えであることを示した。

 日本政府は、同問題については「既に謝罪している」として、これまでのところ改めて謝罪する意向は示していない。(c)AFP