【7月29日 AFP】イスラエルのエフド・オルメルト(Ehud Olmert)首相は29日、6月19日のジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)米大統領との会談で、今後10年間で現在の25%増となる300億ドル(約3兆5000億円)の軍事支援に対する合意を米国から取りつけたことを明らかにした。

 オルメルト首相は定例閣議の冒頭で、「米大統領との直近の会談で、今後10年間で300億ドルの支援合意を取りつけた。年にすると30億ドルを超える額で、来年から開始される」と発表し、この新たな支援はイスラエルの安全保障にとって非常に重要な要素となると説明した。イスラエルは現在の米国から年間24億ドル(約2800億円)の軍事援助を受けている。

 米国防総省高官は28日、同国がサウジアラビアに対する大規模な武器援助を計画していることを明らかにした。援助計画にはイランをけん制する狙いがあると見られている。援助総額は10年間で200億ドル(約2兆3700億円)に上ると報じられているが、国防総省は詳細を明らかにしていない。しかし複数の米政府当局者によれば、この援助額には、アラブ首長国連邦(United Arab EmiratesUAE)への新たな武器援助とエジプトへの軍事および経済援助を含んでいるという。

 これらの援助は、中東の米国同盟国の強化とイランによる脅威に対抗する目的で行われているとみられる。イランの核開発計画はイスラエルや米国にとって大きな懸念材料となっている。(c)AFP/Ron Bousso