【7月29日 AFP】女性政治家といえばコンサバ系ファッションが定番だが、米大統領選の民主党有力候補、ヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)上院議員は胸の谷間で注目を浴びた。

 クリントン議員も普段の服装はコンサバ系。しかし18日の教育問題に関する論争では、首まわりがやや大きく開いた服装で登場した。ワシントン・ポスト(Washington Post)紙のファッション担当記者がこれに目を留め、「性別と女性であることの小さな自認」と指摘して脚光を浴びている。

 記事を執筆したのはピュリツァー賞(Pulitzer prize)を受賞したこともあるロビン・ギバン(Robin Givhan)記者。「18日午後、胸の谷間が散見された。これはヒラリー・クリントン上院議員のものだった」と指摘した。

 この記事によれば、クリントン議員は「黒いトップの上にバラの色のブレザーを着ていた。首まわりは胸元まで届き、かすかなV字形をしていた。谷間は一見しただけでも認められた」といい、「見苦しいほどの露出ではなかったが、谷間は間違いなくあった。議会という保守的な環境(美的センスという意味でだが)から、性別と女性であることの小さな自認が顔をのぞかせるのは驚くべきことだった」と解説している。

 記事がクリントン議員の国家安全保障政策ではなく胸に注目したことで、読者からは「怒りの手紙と電話が何千件も」殺到。そのほとんどは女性からだったと、同紙のオンブズマンは後に明かしている。苦情の多くは、大統領選に向けた国家政策論争が白熱する中、ワシントン・ポスト紙が政治以外の話題に大きなスペースを割いたことを問題視していた。

 クリントン陣営はこの論議を自陣の有利な展開に持ち込もうと、27日、ギバン記者の記事に言及。選挙運動を率いるアン・ルイス(Ann Lewis)氏は資金集の電子メールで「ワシントン・ポストがヒラリーの胸の谷間について746ワードの記事を掲載したなんて、信じられますか。率直に言って、理念ではなく女性の体に焦点を当てるのは中傷です。ビジネスミーティングで真剣に取り合ってもらおうと努力してきた女性全体に対する中傷です」と批判した。

 一方、ワシントン・ポスト紙のオンブズマンは記事の擁護に回り、「クリントン議員が大統領にふさわしいかどうかということと、これは関係があるだろうか。一切ない。では読者は同議員の胸の谷間についてのコラムを読みたいと思うだろうか。それは間違いない。この記事はウェブサイトで1日中、最も閲覧数が多かった。(民主党の候補者指名を目指す)ジョン・エドワーズ(John Edwards)氏のヘアドレッサーについての記事も同じだ」と述べている。

 エドワーズ氏は先に、散髪に400ドルをかけたことが新聞とインターネットで批判の的になった。(c)AFP