【7月23日 AFP】(一部修正)アフガニスタンのモハメド・ザヒル(Mohammed Zahir Shah)元国王が23日、首都カブール(Kabul)で死去した。92歳だった。

 1933年にアフガニスタン国王に即位。1973年イタリアで休暇中に、いとこにあたるモハマド・ダウド(Mohammad Daud)元首相による無血クーデターにより追放され、そのままイタリアで亡命生活を送った。2001年米国同時多発テロ事件後の米軍主導の連合軍によりイスラム原理主義政権タリバン(Taliban)が崩壊した後、2002年に平民として帰国した。

 1931年に結婚した妻のホマイラ元王妃(Homaira Shah)は、アフガニスタンへの帰国を準備していた2002年に亡くなった。元国王自身、晩年は車椅子での生活を送り、健康がすぐれなかった。夫妻には息子5人、娘2人がいる。

 近代史において常に戦闘状態を抱えてきたアフガニスタンにとって、同国王の40年間の在位期間は「平和と安定の時期」として記憶にとどめられており、29年ぶりに帰国した元国王は、ロヤ・ジルガ(国民大会議)により「国家の父」の称号を与えられた。(c)AFP