【7月13日 AFP】ジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)大統領は12日、イラク情勢に関する中間報告を受け、記者会見を行った。この中でブッシュ大統領は、「われわれはイラクで成功を収めることが可能で、もちろん成功する」と述べ、米国はイラクで勝利できるとの見解を示した。

 また、ブッシュ大統領は、コンドリーザ・ライス(Condoleezza Rice)国務長官とロバート・ゲーツ(Robert Gates)国防長官が8月に中東地域を訪問し、同地域の同盟国にイラク情勢に関する意見を求めると語った。2高官の訪問は、イラク政府への国際的な支援を強化する上での米国の主導権を再確認するものだとしている。

 さらに、ブッシュ大統領は「議会が戦争を指揮すべきではない」と述べ、米軍のイラク撤退を求める法案はいかなるものでも拒否権を行使することを示唆した。イラク撤退問題については、「決議を通じて戦争を指揮することは失敗のもと」だとし、「軍の実務面にまで関与しようとする考えは、今日では意味があるとは言えず、将来への良くない前例になる」と語った。

 ブッシュ大統領は会見でイラクのヌーリ・マリキ(Nuri al-Maliki)首相にも触れ、今も「信頼」しており、進展が見られないイラク国内の各勢力間の政治的和解に対しても、粘り強く取り組んでいくことを期待していると語った。

 米情報機関が、国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)の組織力が、2001年9月11日の同時多発テロ以前の状態に戻っていると報告したとの報道に関しては、ブッシュ大統領は「全くの事実無根だ」と述べ、完全に否定した。

 この記者会見に先立ち、ホワイトハウス(White House)はイラク情勢に関する中間報告を発表していた。それによると、イラク政府が達成すべき課題として米議会が設定したベンチマーク(基準点)はほぼ半分しか進展が見られず、改善は「不十分」と判断されており、特に米軍の支援無しで作戦を遂行できるイラク軍の兵力の拡大が不十分だと結論づけている。(c)AFP