【7月5日 AFP】英国でのテロ未遂事件を受け、米国の首都ワシントンD.C.(Washington D.C.)は4日、ヘリコプターや騎馬警官らによる厳重な警戒態勢の下、独立記念日を迎えた。

 重要行事などの警備を担当する国立公園管理局の治安対策部門の報道官はAFPの取材に対し、「総動員体制で首都警備に臨んでいる」と語った。さらに20の地方自治体から援護要員を要請したという。

 同報道官によると、ワシントンD.C.にはテロ警戒レベル5段階のうちの真ん中で、危険度が高まっていることを示す「黄」レベルの警戒準備体制が発令されている。首都の治安対策には、2001年9月11日の同時多発テロ後に策定された治安計画が適用されているが、前月末の英国でのテロ事件を受け、細かな修正が加えられた。

 警備が強化されているのは首都だけではない。ニューヨーク(New York)やロサンゼルス(Los Angeles)などの大都市でも、特別警戒態勢の様子が報じられている。

 例年、米国では、英国からの独立を祝う独立記念日を花火や楽隊のパレードなどで盛大に祝う。米国は宗主国だった英国からの独立を果たし、1776年に最終的に独立を宣言したが、それまでには6年間におよぶ英国との戦争を経なければならなかった。

 ジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)大統領は4日午前、ウェストバージニア(West Virginia)州兵空軍基地で独立記念日の演説を行い、このなかでテロとの戦いについても触れた。

 隊員やその家族らを前にブッシュ大統領は「家族がアフガニスタンやイラクなど遠い異国で危険な任務についている状況で、独立記念日の花火やピクニックを楽しむことが困難であることは理解している」と語りかける一方、「米国は危険な敵と直面している。テロリストらが再び米国本土を攻撃してくる可能性もあるのだ」と、テロの脅威を強調した。(c)AFP