【6月27日 AFP】(一部更新)北朝鮮が27日、定期軍事演習の一部として、日本海へ向けて短距離ミサイル1発を発射したとみられる。韓国の聯合(Yonhap)ニュースが報じた。

 26日から北朝鮮入りしている国際原子力機関(IAEA)の査察団は、翌28日にも寧辺(ニョンビョン、Yongbyon)にある核施設の査察を5年ぶりに実施しようとしており、その直前に当たる微妙な時機の発射といえる。

 情報筋によると、ミサイルの射程は100キロ程度で、午前11時30頃に発射されたようだという。「北朝鮮の咸鏡南(South Hangyong)道東部沿岸から短距離ミサイルが発射されたとの情報を確認した。発射は北朝鮮の定期軍事演習の一部とみられる」との談話を聯合が引用した。

 韓国政府筋は報道内容に関する発表を控えている。総合参謀本部の広報官はAFPに対し、「北朝鮮を厳重監視しているが、われわれは報道内容を確認できていない」と述べた。

 聯合によると、北朝鮮によるミサイル発射は今年3回目。1回目は5月25日で、北朝鮮東部沿岸からミサイル1発が実験発射された。2回目は6月7日、1回目とは反対側の沿岸から日本海へ向けて2発が実験発射された。後者のミサイルは2発とも、射程100キロ程度の地対艦ミサイルまたは艦対艦ミサイルだったとみられている。ミサイルはすべて北朝鮮の領海内に落下している。

 韓国の高官らは、今年に入ってから北朝鮮が発射しているミサイルは同国の通常軍事訓練の一部だとみなし深刻視していない。しかし過去10年、北朝鮮のミサイル実験が地域内の緊張を極度に高めた場面もあった。1998年には長距離ミサイルが日本の本州を飛び越え、太平洋に落下した。2006年7月には、米国本土も射程に入るとみられる長距離ミサイル、テポドン2(Taepodong 2)7発が実験発射された。相次ぐ北朝鮮のミサイル発射に対し、国連(UN)は非難決議を採択、同国への制裁を実施した。

 2006年10月に初の核実験を実施した北朝鮮は、新たな長距離ミサイルを開発
しているとみる韓国の専門家もいる。(c)AFP