【6月26日 AFP】イスラエルのエフド・オルメルト(Ehud Olmert)首相は25日、紅海(Red Sea)沿岸の保養地シャルムエルシェイク(Sharm al-Sheikh)で開催中の中東首脳会談で、パレスチナ自治政府のマフムード・アッバス(Mahmud Abbas)議長に対する友好の印として、同議長率いるパレスチナ解放機構(PLO)主流派のファタハ(Fatah)の受刑者250人を解放する用意があることを明らかにした。

 この会談は10日前にイスラム原理主義組織ハマス(Hamas)がガザ地区(Gaza Strip)を制圧したことを受けて召集され、開催を呼びかけたエジプトに加え、イスラエル、ヨルダン、パレスチナ自治区の首脳らが出席している。

 会談の席でオルメルト首相は、穏健派のパレスチナ人に対する和解のための「手はさしのべている」とし、イスラエル内閣にファタハの受刑者250人の「無血」解放を承認するよう求めると述べた。ただし、解放される捕虜は「テロ」放棄に取り組まなければならないと強調した。

 一方、アッバス議長はオルメルト首相に対し、パレスチナ自治区の新たな政情によって与えられた「歴史的好機」を逃さないよう訴え、「イスラエルと共存する、エルサレム(Jerusalem)を首都とするパレスチナ独立国家建設を目的とした真剣な政治的交渉を、合意された日程に従って開始することを求める」と呼びかけた。

 これに対しオルメルト首相は経済および安全保障上の協力体制について言及し、新しく設置されたパレスチナの非常事態内閣と協力し、継続的な関係を維持する意向を(アッバス議長に)伝えたと明らかにした。

 オルメルト首相はまた、ヨルダン川西岸(West Bank)に居住するパレスチナ人の移動の自由について、有効な方法で改善すると言明した。パレスチナ自治地区ではイスラエルの検問を受けなければならないため、この問題はパレスチナ人にとって主要な争点となっている。(c)AFP/Jailan Zayan