【6月25日 AFP】25日、スーダンのダルフール(Darfur)紛争に関しパリで開かれた約20か国よる国際会議で、フランスのニコラ・サルコジ(Nicolas Sarkozy)大統領は参加国首脳らに、スーダン政府がダルフール紛争終結を妨害しようとした場合には強硬姿勢を取るよう要請した。

 1日の日程で行われた同会議には、スーダンからの主要原油輸入国であり、また同国への兵器供給国である中国の他、国連(United NationsUN)の潘基文(パン・キムン、Ban Ki-Moon)事務総長や米国のコンドリーザ・ライス(Condoleezza Rice)国務長官、エジプト、日本、ロシアなどの高官が参加した。

 サルコジ大統領は「沈黙は死をもたらす」と述べ、「(ダルフールの)状況を無視することは、紛争に加担するに等しい。決断の不在、対応の欠如は受け入れられないことだとわれわれは知っている」とし、各国閣僚らにダルフール和平プロセスへの積極的な関与を呼びかけた。また「スーダンは協力すれば、われわれから多大な支援が得られ、拒否すればわれわれが断固たる態度を取るであろうことを知るべきだ」と述べた。

 さらにサルコジ大統領は、国際社会は、スーダン政府との和平交渉を拒否している同国の反政府勢力に対し、「断固とした」態度を取るべきだと述べた。「国際社会の断固とした態度のみが、全員を和平交渉の席につかせる手段だ」。

 一方、スーダンのオマル・ハッサン・アハメド・バシル(Omar Hassan Ahmed al-Beshir)大統領は、国連とアフリカ連合(AU)の合同平和維持軍のダルフール入りを承認済みだが、同会議にはスーダン政府高官も反政府勢力の代表も出席しなかった。また、スーダン政府と反政府勢力の仲介を試み続けているアフリカ連合も、25日の会議は自身の努力と重複するとして代表を派遣しなかった。

 ライス米国務長官は前日、4年間にわたり少なくとも20万人の犠牲者を出し、200万人以上の避難民を生んだダルフール紛争を終結させるために、国際社会は十分取り組めてこなかったと述べ、「同紛争における責任を、国際社会は真に果たしてきたと思わない」と語っていた。(c)AFP/Carole Landry