【6月23日 AFP】ゴードン・ブラウン(Gordon Brown)英次期首相は22日、英国放送協会(BBC)の番組に出演し、イラク戦争開戦前における諜報活動の過ちを国民に謝罪した。

 ブラウン次期首相はまた、27日にトニー・ブレア(Tony Blair)現首相から政権を引き継いだ後、イラク問題について別の角度から取り組む姿勢を示した。
 
 番組の中でブラウン次期首相は、「政府は諜報活動で過ちを犯したことを謝罪したが、わたしもここに謝罪する」と述べた上で、対イラク戦終結後についても、「サダム(Saddam Hussein)政権が崩壊し、イラクの復興が目前となった時期に当事者により誤った政策が取られたことを認めることが重要」との見方を示した。

 ブラウン次期首相は、財務相在任中は政治と諜報活動の関係により明確な境界があるべきだったとし、「現行より大幅に厳密な方法で諜報が政治の影響を受けずに扱われるようにする。今後秘密情報が一般に情報公開された際には、それが正式な手続きを踏んだもので政治的影響を受けていないことに国民が満足するよう改革する。このことを国民に知ってほしい」と述べた。

 ブラウン次期首相は、英国内のイスラム教信者の心をつかむため、「今後は異なる取り組みが求められる」と述べ、穏健派への支持と過激派への強硬姿勢を示した。

 財務相在任中イラク戦争賛成の立場を取ったブラウン次期首相はこれまでにも、イラクで過ちが犯されたことを認め、同国の政治的和解と経済発展を進めるべきだと述べてきたが、一方で英政府によるイラク戦争の扱いを調査すべきとの野党議員の求めには応じていない。

 ブレア首相は、多くの英国民の反対を押し切って、ジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)米大統領が進めた2003年のイラク進行への支持を打ち出したことで窮地に陥ることとなった。

「(米国との)特別な関係」についてブラウン次期首相は、英国の利益を最大限に守るとの姿勢を強調しつつも、「英国首相が米国大統領と友好的関係を築くことは英国にとっての国益にあたる」との見方を示した。

 ブッシュ大統領が人として「優れているか」との質問には返答を控えた。(c)AFP