【6月16日 AFP】北大西洋条約機構(NATO)加盟国と旧ソ連圏を構成する東欧諸国との間で行われていた軍備管理条約、欧州通常戦力(CFE)条約の見直し作業が15日、最終的な合意には至らないまま4日間の日程を終え閉幕した。双方とも対話は継続していくとの姿勢を示している。

 ロシアの代表を務めたアナトリー・アントノフ(Anatoly Antonov)氏はNATO諸国に対し、依然として(ロシアへの)警戒を解かない態度を批判し「誰も我々の話を聞こうとしない」と不満をあらわにし、ミサイル迎撃システム問題で高まる米露間の緊張を象徴するかたちとなった。

 ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領は4月、同条約の履行を凍結すると警告していたが、ロシア政府は今のところそのつもりはないと明言した。

 両陣営の最大の溝は、グルジアとモルドバに駐留を続けるロシア軍の存在となっている。米国の代表者は、1999年に新たに採択されたいわゆるCFE適合条約にNATO諸国が批准するには、これらの国家からロシア軍が撤退することが条件となっていると述べるも、ロシアはすでに同条約を批准しており、この新条約をめぐって両陣営の足並みは乱れている。(c)AFP/Jean-Michel Stoullig