【6月13日 AFP】国際原子力機関(International Atomic Energy AgencyIAEA)に近い外交筋は12日、イランが12月までにウラン濃縮用の遠心分離器を8000基までに増設する可能性をIAEAが示唆していることを明らかにした。増設が実現となればイランの核開発能力は大幅に上昇し、同国政府の核兵器開発に対する懸念は増しそうだ。

 同外交筋によると、懸念されているのはイランの核開発計画の過程を取り巻く問題が解決されないまま核兵器開発を可能とするような数の遠心分離器が設置されることだという。また、IAEAのモハメド・エルバラダイ(Mohamed ElBaradei)事務局長による私的な会話に言及し、政治指導者らに対し、イランがウラン濃縮において「確実な進歩」を遂げており、とどまる兆候は見られないと話していることを明らかにした。

 さらに、「エルバラダイ事務局長は、イランはこのままのペースで進むとナタンツ(Natanz)の核関連施設で遠心分離器8000基を稼働させるようになると話している」とし、拡散の恐れから同事務局長の懸念は増してきていると語った。

 IAEAは4年におよぶ調査にもかかわらず、同国の核開発計画に関する主要な問題を解決するには至っていない。(c)AFP