【6月6日 AFP】主要国首脳会議(G8)が6日、ドイツのハイリゲンダム(Heiligendamm)で開幕する。安倍晋三首相は、2006年9月の首相就任後初めてのサミットとなる今回、北朝鮮への強硬姿勢を呼びかけるとともに地球温暖化対策をめぐる協議で主導的な役割を果たし、7月の参院選を前に低迷する支持率を好転させたい考えだ。

 首相は5日、出発に先立ち、サミットの主要議題となる地球温暖化対策について、「(温室効果ガスの排出量削減目標などをめぐり)まだ欧州連合(EU)と米国の距離はあるが、だからこそ日本がイニシアチブをとり、各国がおおむね了解できる方向にとりまとめていかなければいけない。それが私たちの大きな責任だ」と、日本の役割を強調した。

 一方で、専門家は安倍首相の苦戦を予想する。東京大学の坂本義和名誉教授は、「地球温暖化対策については欧州の方がはるかに先行している。日本の提案は遅すぎるし、具体性にも欠ける。米国が今さら合意するとも思えない。安倍首相のイニシアチブは形式的な支持を受けるにとどまるのではないか」と指摘する。

 首相にとって、今回のサミットは、7月22日の参院選を前に外交手腕をアピールする絶好の機会でもある。ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領、フランスのニコラ・サルコジ(Nicolas Sarkozy)大統領との首脳会談が予定されているほか、招待国として参加する中国の胡錦濤(Hu Jintao)国家主席との会談も行う方向で調整が進められている。(c)AFP