【6月5日 AFP】内閣支持率が低下する中、安倍晋三首相は4日、自民党幹部と協議し、「7月の参院選の自民党公約の最重要政策に、年金制度改革を掲げるよう」指示した。報道各社が5日伝えた。

 急速に高齢化が進む日本にとって、年金制度改革は試金石となる問題。前週の調査によると、有権者の関心は憲法改正問題よりも年金制度改革や「政治とカネ」の問題にあることが分かっている。

 4日に発表された最新の調査によると、自民党の支持率は30%まで低下。この調査の前には、政治資金問題や談合問題に関与していた松岡利勝農水相が自殺している。

 2006年9月の就任以来、最低の支持率を示す調査について安倍首相は、年金問題に対する「不安」が表れたのだろうとの見方を示した。

 初の戦後生まれの首相である安倍首相はこれまで、1947年に米国が草案を作成した憲法の改正を最重要課題と位置づけてきたが、「宙に浮いた年金記録」に対する国民の怒りが高まる中、焦点を切り替えたと思われる。

 舛添要一参議院政策審議会長は安倍首相との協議後、記者団に対し、「年金問題を正面から取り上げない限り選挙は勝てないとの認識で一致した」「年金問題を政権公約の最重要課題に据える」と語った。(c)AFP