【6月4日 AFP】中国政府は4日、同国初の地球温暖化対策に関する国家計画を発表した。

 6日から始まるドイツ・ハイリゲンダム(Hiligendamm)での主要8か国(G8)首脳会議では、地球温暖化対策が最も激論の交わされる議題のひとつになるとみられている。同サミットには胡錦濤(Hu Jintao)国家主席も出席する予定で、今回の国家計画により中国の姿勢を明確に示した。

 報道陣に配布された62ページにわたる計画の中で、中国は温暖化対策への取り組みを主張する一方、温暖化の主要な責任は先進国にあると再強調した。

 気候変動の原因となっている温室効果ガスの排出量「抑制」に取り組むつもりだと述べつつも、排出量の「削減」は目標に定めないとするこれまでの政策を変更しないと表明した。理由として、中国は開発途上国で、非常に多くの人口を抱え、国のエネルギー混合の高い割合を石炭が占めているため、気候変動に取り組める範囲が限られていると説明。

 さらに、中国のような開発途上国が最優先すべき重要課題は、「経済的・社会的発展そして貧困の撲滅」だと述べ、「先進国は率先して気候変動とその影響の対策に取り組むべきだ」と、先進国に責任を求めた。

 今回の対策計画は、これまでに発表されてきた同政府の地球温暖化対策に関わる環境・経済政策をまとめたもの。

 主要政策として、中国は2010年までにエネルギー効率を20%まで向上させると誓約している。エネルギー混合に占める再生可能エネルギーの割合を、2010年には現在の約7%から10%に増加させるという。

 中国は米国に次ぐ世界で2番目の温室効果ガス排出国で、地球規模での温暖化対策において最重要な役割を担う国のひとつ。国際エネルギー機関(International Energy AgencyIEA)は、2010年までに中国が排出量で米国を上回ると予測している。(c)AFP