【6月4日 AFP】ハイリゲンダム(Heiligendamm)で開催される主要8か国(G8)首脳会議を控え、3日にベルリン(Berlin)で会談したトニー・ブレア(Tony Blair)英首相とアンゲラ・メルケル(Angela Merkel)首相は、米政府が「気候変動に対処する方針」を示したことを歓迎したが、「取り組みはまだ不十分」と釘を刺した。

 これは、ジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)米大統領が前週、「米国は2008年末までに温室効果ガスの長期的な削減目標を設定する」と発言したことを受けたもの。ただし、具体的な数値目標は明示していない。

 2001年に京都議定書(Kyoto Protocol)の批准を拒否した米国は、メルケル首相が先進国各国に提案した「温室効果ガスを2050年までに1990年時の50%まで削減する」とした数値目標に強硬に反対してきた。

 そうした経緯も踏まえ、会談後に共同会見した両首脳はブッシュ大統領の発言を「米政府は方針を転換」と、一応の評価を与えた。ブレア首相は「米国が(地球温暖化に対する世界の取り組みに)参加するのは好ましい」としたものの、「温室効果ガスの削減量に国際的な数値目標を設定し、その達成にまい進することこそが大切だ」と語った。

 一方のメルケル首相は、2012年に期限が切れる京都議定書に代わる国連(UN)の協定に米政府が署名して初めてサミットは成功したと言える、との見解を示している。同首相は、6日から開催されるハイリゲンダム・サミットで地球温暖化防止に向けての共同宣言を採択したい考えだ。(c)AFP