【6月3日 AFP】フランスでは10日に国民議会(下院)選挙の第1回投票が実施される。ニコラ・サルコジ(Nicolas Sarkozy)大統領が率いる右派の国民運動連合(Union pour un Mouvement PopulaireUMP)の圧勝が予想されている。

 3日に公表された世論調査によると、577議席の国民議会で現在359議席を占める国民運動連合は420から460議席を獲得すると見込まれている。

 また、フランス世論研究所(IFOP)の調査によると、現在149議席を持つ社会党(Parti SocialistePS)は80~120議席、21議席を持つフランス共産党(Parti Communiste FrancaisPCF)は9~15議席をそれぞれ獲得するとみられている。

 10日の日曜日に投票が行なわれる今回の選挙にはフランス全土で80以上の政党から7639人が立候補している。登録有権者の12.5%以上の票を獲得した候補者が17日に行なわれる第2回投票に進むことができるが、選挙戦の途中で棄権する候補者も多く、第2回投票は上位2人の候補者による事実上の決選投票になる選挙区が多い。

 選挙後、臨時国民議会が6月25日から8月10日までの会期で召集され、超過勤務への課税免除による週35時間労働制の緩和と相続税の廃止が可決される見込み。

 サルコジ大統領が住宅取得を促進すると主張し、国民にも支持されている住宅ローン利子所得控除も新議会で協議される。

 さらに、犯罪に関する2法案と、エアバス(Airbus)のCEOだったノエル・フォルジャール(Noel Forgeard)氏が経営不振の同社から850万ユーロ(約13億9000万円)という巨額の支払いを受けたことに批判が噴出したことを踏まえ、悪用されやすい「ゴールデンパラシュート」(ある企業を買収しようとする企業が被買収企業の役員などに多額の利益を与えること)を禁止する法案も審議される。

 また、大学入学者の選別強化と授業料値上げを可能にする法案は、激しい議論を呼ぶことが予想される。

 フランソワ・フィヨン(Francois Fillon)首相も移民が家族を呼び寄せることを許可する際の基準を厳格化する法案の提出を計画している。

 サルコジ大統領による改革のもう一つの試金石である、ストライキ中でも最低限の交通サービスを保証する法案は、大統領と労働組合指導者との一連の話し合いの結果、9月に先送りされた。(c)AFP