【6月1日 AFP】朝鮮日報(Chosun Ilbo)は1日、「北朝鮮政府が北京在留の自国留学生全員を帰国させている」と伝えた。理由は不明だという。

 朝鮮日報のウェブサイトによると、北京大学(Peking University)だけで19人の学生が、1週間のメーデー休暇の前に帰国したという。5月30日現在、北京に戻った学生はいない。帰国を求める通知が届いた後、学生1人が退学し、ほかの多くも退学願いを提出している。

 北京駐在の韓国大使館関係者によれば、北朝鮮はこれまでも毎年の夏休みに、留学生や外交関係者を含む海外在住の自国子女を、思想教育のため帰国させることがあった。ただし、今回は「北朝鮮政府が留学生を学期中に呼び戻す理由は不明だ」と語った。

 北京の北朝鮮人留学生は1980年代の約200人から減少し、現在は50人から60人程度となっている。

 韓国国内の報道によると、北朝鮮政府は3月、海外駐在の外交官や企業関係者に対し、子どもは1人だけ駐在先に残して全員を帰国させるよう指示した。これは亡命を阻止する狙いがあるとみられる。

 ただしその後の報道では、北朝鮮体制では珍しく、指示が無視されていると伝えられた。韓国の聯合通信(Yonhap)は4月、中国在留の北朝鮮人で母国に子女を帰国させたものは皆無と報じている。(c)AFP