【6月1日 AFP】ロバート・ゲーツ(Robert Gates)国防長官は5月31日、米軍のイラク駐留長期化を視野に入れ、米政府が米韓相互防衛条約と同様の協定をイラク政府との間で締結することを検討中であることを明らかにした。

 同国防長官は太平洋軍司令部(US Pacific Command)訪問のため訪れたホノルル(Honolulu)で記者会見を開き、「9月に実施される米軍増派の成果に関する判断を待つ必要がある」としながらも、その後を見越して米軍のイラク長期駐留を可能にする相互協定を締結することを検討していると発表。

「現在検討しているのは、両国の合意による協定に基づき長期的に米軍をイラクに駐留させることだが、あくまでも相互合意の上、一定の条件下で駐留させることを考えている」と語った。

 駐留軍を全面撤廃したベトナムの場合と対比させ、在韓米軍を例に挙げて説明を行ったが、その中で「在韓米軍と日米安全保障体制はまったく別のものだ」と指摘している。

 朝鮮戦争(Korean War、1950-53)の休戦以来、米軍は韓国に駐留し続けしており、戦時の米韓連合軍に対する指揮責任者として、米軍司令官が滞在している。

 ホノルル滞在後、ゲーツ長官はアジア安全保障会議出席のためシンガポール(Singapore)へ向かう予定。(c)AFP