【ウィーン/オーストリア 16日 AFP】国際原子力機関(International Atomic Energy AgencyIAEA)がナタンツ(Natanz)のウラン濃縮施設を査察した結果、遠心分離機を用いたウラン濃縮が進められている事が明らかとなった。外交筋15日、AFPに対して語った。

 4月にイランのマフムード・アフマディネジャド(Mahmoud Ahmadinejad)大統領が、イランは「産業規模」のウラン濃縮に成功したと宣言していたが、今回の査察結果により開発が宣言通りに進んでいることが示された形となった。今後は原子炉としても、あるいは高度に精製することで原子爆弾の原材料としても利用することが可能となる。

 秘密裏に核兵器開発がなされることを懸念し、国連安全保障理事会(UN Security Council)はイランに対しウラン濃縮活動の停止を要求し、また制裁も科しているが、イランはこれを無視し続けている。

 イランの核開発問題について、IAEAは23日までに報告書を提出する予定であるが、これによりさらなる制裁が発動される可能性がある。

 写真はテヘラン大学(Tehran university)で金曜礼拝に臨む兵士たち(4月20日撮影)。(c)AFP/BEHROUZ MEHRI