<07仏大統領選挙>電子投票は「大失敗」、トラブル多発に批判噴出 - フランス
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【パリ/フランス 22日 AFP】22日に行われた大統領選挙では、一部で初めて電子投票が導入された。だが、投票機のトラブルが相次ぎ、決選投票では使用しないよう複数政党が呼びかける事態となった。
電子投票を行ったのは、約4450万人の全有権者のうち150万人ほど。今回の選挙は投票率が高く、全体的に各投票所で長い行列ができたが、中でも電子投票組は最大で2時間も待たされた。
パリ東部郊外のノワジー・ル・セック(Noisy-le-Sec)でトラブルが発生したのをきっかけに、社会党(PS)、フランス共産党(PCF)、緑の党(Les Verts)など左派政党が珍しく結束。電子投票は「大失敗」だったとして、一斉に批判を開始した。
左派政党は、「われわれが事前に予期していたとおり、電子投票は大きな問題を引き起こしている」との声明を発表。それによると、待ち時間の長さに嫌気が差した有権者らが、投票を行わないまま帰宅する場面も多く見られたという。
一方、極右政党「フランスのための運動(MPF)」党首のフィリップ・ドビリエ(Philippe de Villiers)候補は、西部の地元エルビエ(Herbiers)で投票を終えた後、投票機について「インチキ機械」と評した。
パリ県議会のDaniel Guerin議員は、パリ郊外の地元選挙区ビルヌーブ・ル・ロワ(Villeneuve-le-Roi)で投票機に「機能障害が発生した」として、憲法会議(Constitutional Council)に公式に抗議を行っている。
■高齢者の不満、特に高く
投票機への不信感は、特に高齢の有権者に高く、自分たちが誰に投票したのか秘密保持ができないとの指摘が数多く聞かれた。
パリ近郊のイッシー・レ・ムリノ(Issy-les-Moulineaux)に住むPierre Bascoulergueさんは、「投票所に2回行ったが、2回とも投票を行わずに帰らざるをえなかった。時間がかかりすぎだ。こうした機械はまるで信用できない」と語った。
イッシー・レ・ムリノ市役所側は、待ち時間が長くなったのは投票に足を運んだ有権者が多かったからだと説明している。
シャンパーニュ地方の主要都市ランス(Reims)では、投票機が故障して投票開始が遅れた。投票開始後も1日中障害が多発、そのたびに投票が中断した。
投票に来たSuzanne Antoineさん(70)は、「投票所はすっかり混乱していて、何が何やら分からなかった」と話した。
「投票用のカードを入れると、『続けてください』と機械が言う。でもそれきり、画面には何も表示されない。わたしは何とか投票を済ませたが、今までどおりの投票方法のほうがいい」
メス(Metz)のポール・ヴェルレーヌ大学(Paul Verlaine University)の研究者らは、今回の大統領選で使用された投票機3種類のうち2種類について、65歳以上の有権者7人に4人が、投票を完了できなかったと指摘する。
心理学者のGabriel Michel氏は、投票機は「多大な問題を引き起こした」と述べた。
問題の投票機には、有権者が支持する候補者を選ぶための複数のボタンと、白票を投じるための「棄権」ボタンがついている。内務省は、投票機はフランス製ではないが、2003年に試用を開始して以来、何ら問題は出ていないと主張している。
写真は18日、南部Palavas-Les-Flotsで、電子投票機の使い方を確認する有権者ら。(c)AFP/PASCAL GUYOT
電子投票を行ったのは、約4450万人の全有権者のうち150万人ほど。今回の選挙は投票率が高く、全体的に各投票所で長い行列ができたが、中でも電子投票組は最大で2時間も待たされた。
パリ東部郊外のノワジー・ル・セック(Noisy-le-Sec)でトラブルが発生したのをきっかけに、社会党(PS)、フランス共産党(PCF)、緑の党(Les Verts)など左派政党が珍しく結束。電子投票は「大失敗」だったとして、一斉に批判を開始した。
左派政党は、「われわれが事前に予期していたとおり、電子投票は大きな問題を引き起こしている」との声明を発表。それによると、待ち時間の長さに嫌気が差した有権者らが、投票を行わないまま帰宅する場面も多く見られたという。
一方、極右政党「フランスのための運動(MPF)」党首のフィリップ・ドビリエ(Philippe de Villiers)候補は、西部の地元エルビエ(Herbiers)で投票を終えた後、投票機について「インチキ機械」と評した。
パリ県議会のDaniel Guerin議員は、パリ郊外の地元選挙区ビルヌーブ・ル・ロワ(Villeneuve-le-Roi)で投票機に「機能障害が発生した」として、憲法会議(Constitutional Council)に公式に抗議を行っている。
■高齢者の不満、特に高く
投票機への不信感は、特に高齢の有権者に高く、自分たちが誰に投票したのか秘密保持ができないとの指摘が数多く聞かれた。
パリ近郊のイッシー・レ・ムリノ(Issy-les-Moulineaux)に住むPierre Bascoulergueさんは、「投票所に2回行ったが、2回とも投票を行わずに帰らざるをえなかった。時間がかかりすぎだ。こうした機械はまるで信用できない」と語った。
イッシー・レ・ムリノ市役所側は、待ち時間が長くなったのは投票に足を運んだ有権者が多かったからだと説明している。
シャンパーニュ地方の主要都市ランス(Reims)では、投票機が故障して投票開始が遅れた。投票開始後も1日中障害が多発、そのたびに投票が中断した。
投票に来たSuzanne Antoineさん(70)は、「投票所はすっかり混乱していて、何が何やら分からなかった」と話した。
「投票用のカードを入れると、『続けてください』と機械が言う。でもそれきり、画面には何も表示されない。わたしは何とか投票を済ませたが、今までどおりの投票方法のほうがいい」
メス(Metz)のポール・ヴェルレーヌ大学(Paul Verlaine University)の研究者らは、今回の大統領選で使用された投票機3種類のうち2種類について、65歳以上の有権者7人に4人が、投票を完了できなかったと指摘する。
心理学者のGabriel Michel氏は、投票機は「多大な問題を引き起こした」と述べた。
問題の投票機には、有権者が支持する候補者を選ぶための複数のボタンと、白票を投じるための「棄権」ボタンがついている。内務省は、投票機はフランス製ではないが、2003年に試用を開始して以来、何ら問題は出ていないと主張している。
写真は18日、南部Palavas-Les-Flotsで、電子投票機の使い方を確認する有権者ら。(c)AFP/PASCAL GUYOT