【ソウル/韓国 9日 AFP】韓国内の脱北者らは9日、北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル、Kim Jong-Il)独裁体制の終息を目指す政治組織「北朝鮮民主化委員会(Committee for Democratisation of North Korea)」を設立したと発表した。

 委員会は、韓国内の脱北者たちでつくる21の団体で構成される。委員長には1997年に韓国へ亡命した黄ファン・ジャンヨプ(Hwang Jang-Yop)元朝鮮労働党書記が就任する見通し。

 同委員会は、「今なお2300万人の同志が、日本による植民地時代以上の独裁と抑圧にあえいでいる」とする声明を発表。また、北朝鮮との人道的・経済的援助を拡大する「太陽政策」を、「金正日総書記の私腹を肥やしているだけ。韓国民の税金は、核兵器とミサイルに使われているようなものだが、これを問題視する人はほとんどいない」と痛烈に非難した。

 韓国への脱北者は、過去50年間で約1万人にのぼる。前年度だけで約1600人が韓国に入国した。また、世界に散らばる脱北者数は、推計40万人。中国に潜伏し、第3国経由で韓国入りを狙っている脱北者は、数万人から数十万人にのぼると見られる。

 写真は、ソウルの仁川(Incheon)国際空港に到着し、バスに乗せられた脱北者の1人(2004年7月28日撮影)。(c)AFP/JUNG YEON-JE