新世代の「なでしこ」の台頭に期待を寄せる佐々木監督
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【8月11日 AFP】ロンドン五輪、女子サッカーで銀メダルを獲得した日本代表の佐々木則夫(Norio Sasaki)監督が10日、チームの世代交代を見据えて新世代の「なでしこ」たちの台頭に期待を寄せた。
2011年に世界年間最優秀女子選手「女子FIFAバロンドール(FIFA Ballon d'Or)」に選出された澤穂希(Homare Sawa)とともにチームを去ることが確実視されている佐々木監督は、大会連覇に期待がかかる2015年の女子サッカーW杯に向けて準備を始める時期だとの見解を示した。
9日にウェンブリー・スタジアム(Wembley Stadium)で行われた決勝で米国に敗れ、日本から声援を送っていた数万人のサポーターの期待に応えることができなかった女子代表だが、佐々木監督は決勝戦が優勝した2011年の女子W杯ドイツ大会を上回る、自身のキャリアで最も特別な瞬間だったと振り返っている。
佐々木監督は、「本当はもっとできると思いますが、彼女たちはすべてを出し尽くした中で銀メダルを獲得しました。それは素晴らしいことです」と話した。
続けて佐々木監督は、「対戦した米国にも成長させてもらいました。選手たちはそれぞれこれまでの経験から成長し、素晴らしいチームプレーで輝かしい銀メダルを手にしました。それは私のキャリアの中で最高の瞬間であり、これから先も新しいなでしこたちの登場を願っています」と語っている。
一方、アジア年間最優秀選手に2度選出され、女子サッカーW杯ドイツ大会(FIFA Women's World Cup 2011)では得点王に輝いた澤穂希(Homare Sawa)は、五輪後に休養期間を設けることを明らかにしたものの、自身の去就については明言を避けた。
澤は「まずは休みをいただいたので、心と体を休ませたい。帰国後にはリーグ戦やカップ戦を控えているので、チームに貢献できるよう頑張りたいと思います。長年女子サッカーに携わってきた私にとって銀メダルはとても嬉しく、とても重みがあります」と語った。
また澤は、「なでしこジャパン」を4年以上牽引し、2年連続でチームを主要国際大会決勝まで導いた佐々木監督に感謝の意を表した。
澤は「監督にはとても感謝しています。今年に入って体調を崩してしまい、とても不安だったけれど、監督が支えてくれました。多くの試練が待ち受けていましたが、監督はいつも笑顔を絶やさず、チームの雰囲気を明るくしてくれました。ついていきたいと思った監督でした」と語った。
9日(日本時間10日)に行われた女子サッカーの決勝は、日本中で多くの人が徹夜で観戦。都内では午前5時半に試合が終了すると同時にスポーツバーからたくさんのサポーターがあふれ出し、「ニッポン!ニッポン!」と叫んでいた。(c)AFP/Talek Harris