【7月26日 AFP】サッカー男子のブラジル五輪代表は26日、ロンドン五輪での金メダル獲得に向けて、1次リーグ初戦のエジプト戦を迎える。

 サッカー史上最も成功を収めているブラジルは、5度のW杯制覇と8度のコパ・アメリカ(Copa America)優勝を誇っている。しかし、ビューティフル・ゲームの精神の守護者と認知されるブラジルは、幾度となく五輪の栄光をつかもうとしているにもかかわらず、金メダルには全く手が届かない。

 さらに、南米のライバルであるアルゼンチンが2連覇を達成したことが、ブラジルを苛立たせている。2008年北京五輪の準決勝で、ブラジルはアルゼンチンに敗れている。

 そのアルゼンチンがロンドン五輪では予選敗退に終わったことで、ブラジルの金メダル獲得を後押しする形になった。アルゼンチンの欠場によって、8月11日にウェンブリー・スタジアム(Wembley Stadium)で行われる決勝までの道のりに横たわる大きな壁が取り除かれた。

 ブラジル五輪代表には、高い期待がかかるネイマール(Neymar da Silva Santos Junior)やオスカル(Oscar dos Santos Emboaba Junior)、ルーカス・モウラ(Lucas Rodrigues Moura da Silva)らが顔を揃えるほか、オーバーエイジ(OA)枠ではチアゴ・シウバ(Thiago Silva)、フッキ(Hulk)、マルセロ(Marcelo Vieira Da Silva Junior)ら経験豊富な選手が名を連ねている。

 24日にはゴールキーパー(GK)のラファエウ・カブラル・バルボサ(Rafael Cabral Barbosa)が肘を負傷して大会欠場を余儀なくされたものの、ブラジルがエジプトやベラルーシ、ニュージーランドと同居するC組を突破するのは確実視されている。
 また20日に行われた親善試合では英国五輪代表を2-0で下しており、金メダル獲得の最右翼と見られている。

■52年ぶりの五輪出場を果たす英国代表

 五輪サッカーに52年ぶりに出場する英国代表は同日、オールド・トラフォード(Old Trafford)でセネガルとのA組初戦を迎える。

 英国内のサッカー関連メディアは、同代表に対して生ぬるい評価を下しているが、当の代表選手たちは五輪に向けて熱意を口にしている。

 GKのジャック・バトランド(Jack Butland)は、国際大会初出場で主将を務める元ウェールズ代表でイングランド・プレミアリーグのマンチェスター・ユナイテッド(Manchester United)のベテランスター選手、ライアン・ギグス(Ryan Giggs)の存在がチームの強みだと話す。

 バトランドは、「ギグスは口を開かなくても存在感がある。彼はキャリアの全てをプレミアリーグで過ごし、リーグや欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League)で優勝を果たした尊敬すべき選手だ」とコメントした。

「彼のその経験を学べることには絶大な意味があるし、彼はいつも意見を出してくれる。ギグスがチームにいてくれて本当に幸運だ」

■金メダルの対抗馬はスペイン

 もう1カ国、ブラジルが恐れるのはスペインだろう。スペインは日本とホンジュラス、モロッコとともにD組に入っている。

 スペインのOA枠には、プレミアリーグのチェルシー(Chelsea)で欧州チャンピオンズリーグ2011-12(UEFA Champions League 2011-12)を制覇し、同国A代表としてサッカー欧州選手権2012(UEFA Euro 2012)で優勝を飾ったフアン・マヌエル・マタ(Juan Manuel Mata)が選出されている。

 今夏3つ目のトロフィー獲得を目指すマタは、「五輪で優勝できたら素晴らしいだろう。もし金メダルを獲得できれば、僕にとっても、スペインサッカー界にとっても、最高の夏の締めくくりになる」と語っている。(c)AFP/Rob Woollard