【7月22日 AFP】国際五輪委員会(International Olympic CommitteeIOC)は21日、国内五輪委員会(National Olympic CommitteesNOC)などが2012年ロンドン五輪のチケットを不正売買しているという指摘を受けた問題で、同五輪開幕前に処分を下さないことを明らかにした。また、IOCのジャック・ロゲ(Jacques Rogge)会長は同日、問題についての調査結果がまとまるのは9月末から10月の上旬ごろと語った。

 英紙サンデー・タイムズ(Sunday Times)から、複数のNOCの委員や正式なチケット販売業者が何千枚にも及ぶ同五輪のチケットを定価の最大10倍の値段で闇市場に不正転売していたという指摘を受け、IOCの倫理委員会は調査に乗り出していた。

 しかしながら、同日行われた議論の中で27日の開幕までに全ての事実を確認するには時間が不十分として、今回の決定が下った。

 ロゲ会長は「倫理委員がサンデー・タイムズの代表と会い、2週間待って証拠が提供された。多くのチケット再販売業者や、20人以上の人間が関与したため非常に膨大な証拠ファイルとなっている。誰にも、弁明のため説明の機会が与えられなければない。そのため、われわれは関与した人物らとの面談を行う予定で、その結果は9月末から10月の初旬にも出ると考えている」と語り、違法売買の有無の判断に時間がかかることを説明した。

 IOCは、NOCや販売業者の不正行為の裏付けがとれれば、厳重な処罰を下すと発表している。(c)AFP/Pirate Irwin