【7月17日 AFP】オーストラリアの射撃選手でアトランタ五輪の金メダリスト、ラッセル・マーク(Russell Mark)さん(48)は、ロンドン五輪開催期間中、妻と一緒の部屋に泊まることを禁じられ、怒りの表情で英国に到着した。

 マークさんの妻ローリン(Lauryn Mark)さんもオーストラリアの射撃チームの一員だが、五輪期間中は別々の部屋に寝泊まりするよう当局から言い渡された。

 6度目の五輪出場となるマークさんは、この別居命令は妻が男性誌「Zoo」のグラビアページに登場した騒動を受けてのものだと述べ、夫婦であることそのものに対する処罰だと憤りを見せた。写真でローリンさんは、緑とゴールドのビキニを身につけ、ショットガンを肩に担いでいる。

「何がばかげてるって、五輪チームには一緒の部屋で過ごす同性愛カップルが無数にいるってことだ。つまり私たちは異性愛者だから差別されてるんだ」 「結婚してようが事実婚だろうが、オーストラリア五輪委員会(Australian Olympic CommitteeAOC)は夫婦のニーズに便宜をはかるように最大限の努力をすべきだ。AOCをカンカンに激怒させたのはなによりもあの(ビキニの)写真撮影だ。彼らには過激すぎたんだ」

 だが、オーストラリアチームのトップ、ニック・グリーン(Nick Green)氏は、マークさんの批判にとりあわず、「単純にそれは事実でない。私はラッセルのことを16年前から知ってるんだ」と一蹴。「宿泊施設と部屋は、全選手が宿泊できるようにするために特定の方法で割り当てられている」と述べ、例外を作ってしまえば「なし崩しになる」と付け加えた。

■5月には「開幕式マンキニ着用」問題で話題に

 マークさんは今年5月、ライムグリーンの男性用ビキニ「マンキニ」で五輪開幕式に出場すると言い出して話題になった。

 アトランタ五輪金メダリストでシドニー五輪銀メダリストのマークさんは当時、ラジオ番組に出演し、フットボールの試合結果をめぐる賭けに負けて、映画『ボラット 栄光ナル国家カザフスタンのためのアメリカ文化学習(Borat)』で有名になったマンキニを着用する罰を受けたと語っていた。

「確かにそういう約束はした。でもいずれにせよ、あの公式ユニフォームよりはマンキニの方が見栄えが良いと多くの人が思うはずだ。だからそれほどひどい罰だとは思わないよ」(ラッセル・マークさん)

 これを受けてAOCのマイク・タンクレッド(Mike Tancred)広報は記者会見で、マークさんにマンキニは似合わないだろうと反撃した。「年齢が問題だ。ラッセルはもう若くはない。モデルになれる時期はずっと前に終わったんだ。ラッセルがマンキニを着て歩くのはチームにとってプラスにはならないだろう」 「彼にとっては6度目の五輪だ。もしかしたら旗手に選ばれるかもしれない。チームの先頭に立つ旗手がマンキニ姿なのを想像してみて欲しい。しかも筋骨隆々の射撃選手だ」(c)AFP