【7月28日 AFP】ローマ・カトリック教会のフランシスコ(Francis)法王(76)は27日、滞在先のブラジル・リオデジャネイロ(Rio de Janeiro)で演説し、世界中の貧民街にいる「キリスト」を探し、奉仕するよう、聖職者らに促した。また、ブラジルで先月から政府の汚職に抗議するデモが頻発していることについて、指導者らに「建設的な対話」を行うよう求めた。

 フランシスコ法王は、1週間にわたって開催される「世界青年の日(World Youth Day)」の祭典に出席するため、22日からブラジルを訪問している。この日はリオ市内の市民劇場(Municipal Theater)で政界、宗教界、市民運動のリーダーらを前に演説した。

 演説の中で法王は、世界で最もカトリック信者が多いブラジルの教会関係者に対し、他の宗教に改宗した元カトリック信者らを取り戻すよう強く促した。脱会信者の呼び戻しも、今回の訪問の主な目的の1つであるとみられている。

「エルサレム(Jerusalem)を離れ、1人であてもなくさまよっている弟子たちと対話するよう教会に求める。彼らは、キリスト教が実りのない不毛な土地で、何の意味も持たないと幻滅し、失望したのだ」

 法王はまた、政府に反対するデモ隊と機動隊との衝突がブラジルで相次いでいることにも言及。「現状に対処するには、建設的な対話が必要不可欠だ。自分勝手な無関心と暴力的な抗議の中間には必ずもう1つの選択肢がある。それは対話だ。豊かな文化の土壌で、建設的な対話が生まれてこそ国は成長する」と話した。(c)AFP/Jean-Louis De La Vaissiere