【7月3日 AFP】カトリック教会の列聖の認定手続きを担当するバチカン(ローマ法王庁、Vatican)の列聖省(Congregation for the Causes of Saints)は3日、2世代前の法王であるポーランド出身の故ヨハネ・パウロ2世(John Paul II)による2つ目の「奇跡」を認定した。これにより、ヨハネ・パウロ2世の列聖には現法王フランシスコの署名を必要とするのみとなった。伊ANSA通信が2日に伝えた。

 ヨハネ・パウロ2世の列聖は12月までに正式決定し、年内にも列聖式が行われる見通しだ。

 聖人と認められるには、その人物が起こした2つの奇跡が認定される必要がある。ヨハネ・パウロ2世は、2005年の死去からわずか6か月後に1つ目の奇跡が認められ「福者」となっている。

 福者となったのは、フランス人の修道女、マリ・シモンピエール(Marie Simon-Pierre)さんが故ヨハネ・パウロ2世による「とりなし」を求めて祈ったところ、パーキンソン病が治癒したことが奇跡と認められたため。治癒の理由は医学的には説明がつかないという。

 2つめの奇跡が起きたのは2011年5月1日。バチカンのサンピエトロ広場(St Peter's Square)でヨハネ・パウロ2世の列福式の当日、コスタリカ出身の女性が、病気から突然回復したという。正式に「奇跡」と認定されるためには、こうした病からの回復が瞬間的かつ永続的で、医学的に説明が付かないものでなくてはならない。

 在位中だった27年間を通じて非常に人気が高かったヨハネ・パウロ2世については、2005年に執り行われた葬儀の時点ですでに、すぐにも列聖されるべきとの声が上がっていた。

 カトリック教ではかつて、列聖の主な根拠は殉教とされていたが、現在では主に死後に起きた奇跡とされている。(c)AFP