【5月2日 AFP】ローマ・カトリック教会のフランシスコ(Francis)法王(76)は1日、バングラデシュの首都ダッカ(Dhaka)近郊サバール(Savar)で起きたビル崩壊事故で死亡した労働者数百人の状況は「奴隷労働」だと非難、各国の政治指導者に対し失業問題への取り組みを求め、「自己中心的な利益追求」を厳しく批判した。

 法王は、犠牲となった工場労働者の賃金がわずか月38ユーロ(約4900円)だったとのニュースに、とりわけ大きな衝撃を受けたという。「これは奴隷労働と呼ばれるものです」

 メーデーを記念する非公開ミサでのこれらの発言は、バチカン放送局(Vatican Radio)によって伝えられた。「公正な賃金を支払わず、仕事を提供せず、バランスシート(貸借対照表)を見てどうやって儲けるかを考えているだけ。これは神に反することです」

 法王はその後、サンピエトロ広場(St Peter's Square)に集まった数千人の信者を前に、各国の政治家に対して失業問題への取り組みと、「自己中心的な利益追求」に対する「社会正義」の追求を訴えた。(c)AFP