【3月14日 AFP】中南米出身者として初めてローマ法王に選出されたホルヘ・マリオ・ベルゴリオ(Jorge Mario Bergoglio、76)枢機卿の法王名は、フランシスコ1世(Francis I)ではなく「フランシスコ」――。

 ローマ法王庁(バチカン)が13日、全世界のカトリック教徒12億人の指導者となる新法王を発表したとき、その名前に「1世(Primum)」は付いていなかった。したがって「フランシスコ2世」が登場するまでは、「ローマ法王フランシスコ」と呼ばれることになる。

「1世」という序数が法王名に付けられたのは、1978年にヨハネ・パウロ2世(John Paul II)が法王となった際に、先代法王のアルビノ・ルチアーニ(Albino Luciani)枢機卿が「ヨハネ・パウロ1世(John Paul I)」となったのが初めての事例だ。

 新法王名はカトリック修道会のフランシスコ会の創設者で、清貧の聖人として知られるアッシジの聖フランチェスコ(St Francis of Assisi)に由来する。法王名には何世紀にもわたって使われてきた名前をあてる伝統があり、初めて使われる「フランシスコ」という法王名を採用したベルゴリオ枢機卿の決断は極めて珍しい。

 歴史を振り返ると「変わった」法王名は人気がなく、例えば「シンプリキウス」と「ヒラリウス」いとう法王名は過去1度ずつしか採用されていない。(c)AFP