【3月4日 AFP】不適切な性行為疑惑が報道され、英国におけるカトリック教会最高位のスコットランド・エディンバラ大司教を先週辞職したキース・オブライエン(Keith O'Brien)枢機卿(74)が3日、「立場にふさわしくない性的行為があった」と認め、謝罪した。

 英紙オブザーバー(Observer)は先月、オブライエン枢機卿が1980年代に複数の司祭らにセクシュアルハラスメントを行っていたと報じた。同紙が掲載した司祭たちの証言によると、オブライエン枢機卿は夜の祈祷(きとう)や会食などを利用して司祭たちに不適切な接触を要求したとされる。

 オブライエン枢機卿は当初疑惑を否定していたが、先月25日にセントアンドルーズ(St Andrews)とエディンバラ(Edinburgh)の大司教職を辞任した。オブライエン枢機卿としては今月、教会の退職年齢である75歳の誕生日を待って退任する意向だったが、当時のローマ法王ベネディクト16世(Benedict XVI)が即時辞任を求めたという。

 3日の声明でオブライエン枢機卿は「私の性的な品行には時に、神父として、大司教として、枢機卿として期待される規範に劣るものがあったことを、この機会に認めたい」「私が傷つけたカトリック教会とスコットランドの人々に謝罪する」と述べた。今後は英国内でのカトリック教会の職務から一切退くという。

 オブライエン枢機卿は、先月末で退位したベネディクト16世の後継のローマ法王を選ぶ法王選挙会(コンクラーベ)に英国から唯一出席する予定だったが、これについても欠席を発表した。

 ベネディクト16世が在位中の8年間に、ローマ・カトリック教会では多数の醜聞が噴出した。オブライエン枢機卿のほかにも、コンクラーベ参加資格を持つ4人の枢機卿に児童への性的虐待疑惑が浮上している。(c)AFP/James Pheby