【3月4日 AFP】ローマ法王ベネディクト16世(Benedict XVI)の退位を受けてバチカン市国で法王選挙会(コンクラーベ)が行われるのを前に、伊ローマ(Rome)中心部各所に2日、ガーナ出身のピーター・タークソン(Peter Turkson)枢機卿への投票を呼び掛ける偽の選挙ポスターが貼り出された。

 ポスターは、赤いビレタ(聖職者用の角帽)をかぶり天を仰ぎみるタークソン枢機卿の顔写真に「コンクラーベではピーター・タークソンに投票しよう」との標語が添えられたもの。右下には枢機卿の紋章があしらわれ、そのうえにバツ印が書かれているが、これは先日のイタリア総選挙の候補者ポスターで使われた「この人に投票するべきだ」とアピールする手法だ。

 この偽選挙ポスターについてはウェブサイト「00kk.org」を運営する「ZeroZeroKappaKappa」と名乗る集団が「犯行」声明を出している。この集団は過去にも公式ポスターに似せた偽ポスターを作ってコカインやマリフアナなどの値上げに抗議したことがある。

 高齢による体の衰えを理由に2月28日に退位したベネディクト16世の後継の法王を選ぶコンクラーベは、世界各地から80歳未満の枢機卿がバチカンのシスティーナ礼拝堂(Sistine Chapel)に集結して、今月上旬にも行われる。

 タークソン枢機卿はバチカンの正義と平和協議会(Pontifical Council for Justice and Peace)の議長を務めており、次期法王の有力候補とみられている。選出されれば初のアフリカ系法王の誕生となる。(c)AFP