【12月18日 AFP】仏教国のスリランカで、僧侶の約半数が糖尿病リスクを抱えているとの報告を受け、同国保健省は16日、お布施として信者が振る舞う料理の糖分量などを定めたガイドラインを発表した。

 現在スリランカの僧侶たちが1日に摂取する糖分は平均で小さじ12杯分だが、同ガイドラインはこれを最大8杯までと定め、塩分も大幅に減らす必要があるとしている。また、お布施料理には米、野菜3種類、果物2種類を入れるべきで、油を使った料理は1品以下とするよう求めている。

 スリランカ保健省によると、同国では約4万人の僧侶の50%が糖尿病リスクを抱えており、国民平均の10%を大幅に上回っている。心疾患リスクも一般と比べて高いという。同省は、信者たちが新ガイドラインに沿った食事を僧侶たちに提供すれば、これら非伝染性疾患のリスクを減らすことができるとしている。

 スリランカでは2000万人の人口の多数を仏教徒が占める。輪廻転生を信じる仏教徒たちは、自分の現世や来世、または故人の来世のための善業として、食事や菓子などをお布施として僧侶に提供している。こうした食べ物は手をかけて調理され、豪勢なものとなる場合も多い。僧侶への食事提供をするためには、1年前から予約をしなければいけない場合もあるという。(c)AFP