【5月12日 AFP】キリスト教初期の歴史に足跡を残す使徒パウロ(Paul the Apostle)の生まれ変わりとして、ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)首相を崇める新興宗教の一派が同国に登場した。

 11日の週刊誌Sobesednikによると、ロシア西部ニジニーノブゴロド(Nizhny Novgorod)に拠点を置くこの宗派は、地元鉄道の元職員で前科のある「聖母フォティーナ(Morther Fotina)」と名乗る女性が率いている。

 この創始者によると「聖書によると使徒パウロは最初は軍の司令官だった。プーチン首相もKGB時代には邪悪なことをしていた。しかし大統領になって彼はパウロのように聖なる精神で満たされ、自分の仲間たちを導くようになった」のだと言う。

 信徒の数は報じられていないが、同誌が取材したドミトリー・ペスコフ(Dmitry Peskov)大統領報道官は、「こういう宗教集団は聞いたこともない。彼らがそれほどまでに首相の仕事を高く評価しているとは素晴らしい」と、ロシアで最も支持率の高い政治家への個人崇拝を、驚きを持って受け止めた。ぺスコフ報道官はさらに「けれど大事な十戒のひとつも覚えておこう。『誤った偶像を崇拝してはならない』」と付け足した。

 旧KGBの元スパイで前大統領、現在は首相のプーチン氏に対する尊敬を示すグループや組織はロシアに多く、さらにプーチン氏について歌ったポップスや、プーチン・ブランドのウォッカ、プーチン氏をテーマにしたクラブ・パーティーまで登場しているが、ペスコフ報道官がやんわり説明したところによると、プーチン氏本人はあまりこうした状況を喜ばしく思っていないそうだ。(c)AFP

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