【4月25日 AFP】ローマ法王ベネディクト16世(Pope Benedict XVI)は24日、恒例の復活祭(イースター)の祝福で、混迷を深める北アフリカ・中東情勢とともに、東日本大震災に苦しむ日本に向けてメッセージを送った。

 バチカンのサンピエトロ広場(St Peter's Square)を埋め尽くした信者らを前に、ローマ法王はリビア情勢について、武力ではなく「外交と対話」による解決を呼びかけた。混沌とする北アフリカ・中東情勢については、「若者を中心とする全ての市民が共通の善を推進する役目を果たすよう」望むと述べた。

 また、人びとが「アフリカの紛争地から逃れてきた人びとに対して心を開き、連帯の精神における協調姿勢によって多くの兄弟姉妹たちの差し迫った必要が満たされるよう」訴え、「平和と人類の尊厳の光は、(中東を覆う)分裂、憎悪、暴力の闇を克服する」と励ました。

 ローマ法王の復活祭のメッセージは通常、世界各地の問題に触れる。今年は、前年11月の大統領選の結果をめぐり政治対立が戦闘に発展したコートジボワールのほか、東日本大震災に苦しむ日本にも触れ、「この数か月間に自然災害による痛みと苦しみの試練を受けた国々とともに、地震の甚大な被害に直面する日本に慰めと希望があるように」と祈った。

 慣例としてローマ法王の祝福は65か国以上の言葉で語られ、テレビ中継された。(c)AFP/Jean-Louis de la Vaissiere