キリスト殺害の責任「ユダヤ人にはない」、ローマ法王
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【3月4日 AFP】イエス・キリスト(Jesus Christ)を十字架にかけて殺した責任はユダヤ人にはない――。ローマ法王ベネディクト16世(Pope Benedict XVI)がこのような見方を示したことが、3日付のローマ法王庁発行の日刊紙オッセルバトーレ・ロマーノ(Osservatore Romano)に掲載された新著の抜粋で明らかになった。
ローマ法王はキリストの生涯を描いた新著の中で、イエスを非難していたのは「(エルサレムのユダヤ教)寺院の上層部」とイエスよりもバラバの恩赦を求めた「大衆」であって、「ユダヤ人全体」ではなかったと書いている。
世界ユダヤ人会議(World Jewish Congress)は、ローマ法王が「ユダヤ人に(キリスト殺害の)責任があるとの議論を明白に否定した」ことを歓迎する声明を発表した。
「これは、キリスト教会内の反ユダヤ主義に対抗する重要なしるしだ。イエス・キリストはユダヤ人で、ローマの為政者に殺害されたのに、これまでキリスト教徒はユダヤ人すべてにキリスト殺害の連帯責任があるとみなしてきた。そのため、ユダヤ人は残忍な迫害と反ユダヤ主義の標的となってきたのだ」
ローマ法王庁は1960年代に、ユダヤ人にキリスト殺害の責任はないとの公式見解を出しているが、カトリック主義とユダヤ主義との間に長年続く緊張を終わらせるにはいたらず、この問題はここ数年再び表面化していた。(c)AFP
ローマ法王はキリストの生涯を描いた新著の中で、イエスを非難していたのは「(エルサレムのユダヤ教)寺院の上層部」とイエスよりもバラバの恩赦を求めた「大衆」であって、「ユダヤ人全体」ではなかったと書いている。
世界ユダヤ人会議(World Jewish Congress)は、ローマ法王が「ユダヤ人に(キリスト殺害の)責任があるとの議論を明白に否定した」ことを歓迎する声明を発表した。
「これは、キリスト教会内の反ユダヤ主義に対抗する重要なしるしだ。イエス・キリストはユダヤ人で、ローマの為政者に殺害されたのに、これまでキリスト教徒はユダヤ人すべてにキリスト殺害の連帯責任があるとみなしてきた。そのため、ユダヤ人は残忍な迫害と反ユダヤ主義の標的となってきたのだ」
ローマ法王庁は1960年代に、ユダヤ人にキリスト殺害の責任はないとの公式見解を出しているが、カトリック主義とユダヤ主義との間に長年続く緊張を終わらせるにはいたらず、この問題はここ数年再び表面化していた。(c)AFP