【11月23日 AFP】英国全土のイスラム系週末学校で、イスラム法（シャリーア、Sharia）に基づく断手刑の方法や、ユダヤ人は世界を支配する陰謀をめぐらせているなどという「知識」を教えていることが、22日の英BBC放送の番組で明らかになった。

　BBCによると、6～18歳の生徒約5000人は、週末学校用の教材でシャリーアの刑罰の執行方法や、イスラム教を信仰しない人びとが地獄の業火に焼かれることになるなどと教わっているという。

　15歳用の教科書には「盗人は初犯で手を切り落とされる。2度目には足を切り落とされる」と記されている。「窃盗罪のための刑罰は、右手を手首から切り落とすことだ。それから失血死を防ぐために傷口を焼く」としている。

　ほかにも、同性愛行為をした者は石打刑または火あぶり、あるいは崖から突き落とすことによる死刑に処せられると記載されている。さらに、ユダヤ人の「主な目的」は「世界と資源を支配することにある」としている。

　これらの学校は、「英国とアイルランドにおけるサウジ学生のクラブと学校（Saudi Students Clubs and Schools in the UK and Ireland）」という団体の一部。BBCの調査によれば、ロンドン（London）にある学校の1つはサウジアラビア政府の所有だという。

　マイケル・ゴーブ（Michael Gove）英教育相は、BBCの番組で「サウジアラビア政府の決めた独自の教育制度に介入する意志は無い」とした上で、「しかし、英国の学校でユダヤ人差別をする教材を用いることはできない。英教育水準局（Office for Standards in Education、Ofsted）から近々報告があるはずだ」と語った。(c)AFP