【11月21日 AFP】ローマ法王ベネディクト16世(Pope Benedict XVI、83)が、HIV感染の予防など「特定の場合において」コンドームの使用は容認されるとの見解を示した。ドイツ人ジャーナリスト、ペーター・ゼーバルト(Peter Seewald)氏とのインタビューで語った。カトリック教会はこれまで、コンドームを含む避妊法すべてに反対する立場を表明していた。
 
 ゼーバルト氏が「カトリック教会は根本的にコンドームの使用に反対なのか」と質問したところ、ベネディクト16世は「現実の問題や道徳上の問題が解決されるわけではないが」と前置きしたうえで、コンドームは「感染リスクを軽減するためなど特定の場合においては人道的なセクシュアリティーに向けた第一歩となりうる」と答えた。

 20時間におよぶインタビューの内容が収録された書籍「Light of the World: The Pope, the Church and the Signs of the Times」は23日に発売される。

 ベネディクト16世は前年3月のアフリカ訪問時に、エイズについて「資金のみで克服することはできない悲劇。コンドームの配布によって克服することもできないし、むしろ問題を悪化させる」と述べ、国際的に強い非難を浴びていた。

 国連合同エイズ計画(Joint United Nations Programme on HIV/AIDSUNAIDS)は、法王の発言を「大きな進展」として歓迎している。(c)AFP/Celine le Prioux

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