【10月1日 AFP】ヒンズー教とイスラム教の間で帰属をめぐって対立していたインド北部ウッタルプラデシュ(Uttar Pradesh)州アヨディヤ(Ayodhya)にある聖地について、同州のアラハバード(Allahabad)高裁は9月30日、同地をヒンズー側が3分の2、イスラム側が3分の1を分割所有するよう命じる判決を下した。

 判決文は「ムスリム、ヒンズー、(ヒンズー宗教団体の)Nirmhoi Akharaの3者を聖地の共同所有者と宣言する」としている。聖地中心にある、ヒンズー側がラーマ神を祭る寺院の建設を計画している土地は、ヒンズー側の所有とされた。

 判決の直後、複数の原告が最高裁への上訴を表明した。

 暴動の発生を警戒し、全国に数十万人の警官や自警団が配備された。アヨディヤでは1992年、過激なヒンズー教徒が聖地に建てられていたモスクを破壊したことをきっかけに抗争となり、2000人が死亡した。モスクの破壊以来、聖地は有刺鉄線とスチールフェンスで封鎖され、軍によって警備されている。

 マンモハン・シン(Manmohan Singh)首相は判決は最高裁で見直されるとして、国民に冷静を呼び掛けた。(c)AFP/Sharat Pradhan