【6月16日 AFP】スペイン政府は、宗教の自由に関する新たな法律案の中で、イスラム教徒の女性が顔や体を覆うブルカの公共の場での着用を禁止することを計画している。フランシスコ・カアマーニョ(Francisco Caamano)法相が15日、明らかにした。

 カアマーニョ法相は、「ブルカの類は、人間としての尊厳と折り合いがつけ難いものであることに加え、公共の場で身元確認上の問題が生じるものだと考えている」と語った。その上で、新たな法律には「安全上」の理由から、身元確認を困難にするブルカ類についての措置が盛り込まれると語った。

 現政権は2008年、カトリック教徒が圧倒的多数を占めるスペインにおいて宗教的多元主義の尊重を確保するための、「宗教の自由」に関する法律の制定を準備していると発表していた。地元紙パイス(El Pais)が13日に報じたところによると、この法律では、学校に十字架を飾ることも禁止されるという。

 法相の発言に先立ち、バルセロナ(Barcelona)のジョルディ・エレウ(Jordi Hereu)市長は14日、スペインの大都市としては初めて、イスラム教徒が顔を覆うベールを公共の場で着用することを全面的に禁止する意向を明らかにしている。(c)AFP