【5月21日 AFP】インドに亡命しているチベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ(Dalai Lama)14世が21日、米マイクロブログサービス「ツイッター(Twitter)」を通じて中国のインターネット・ユーザーたちとオンライン・チャットで交流する。

 1989年のノーベル平和賞(Nobel Peace Prize)受賞者でもあるダライ・ラマは、中国政府のチベット政策に長年批判的な中国人作家、王力雄(Wang Lixiong)氏のツイッターのアカウントを借り、約1時間にわたってチャット・セッションを行う予定だ。
 
 王氏によるとダライ・ラマは、中国本土1100人のインターネット・ユーザーから寄せられた約250の質問に応じるつもりだ。中国政府は「分離独立主義者」とみなすダライ・ラマを沈黙させようと努力を続けており、本土で入手できるダライ・ラマに関する情報は制限されている。

 米国を拠点にする中国関連のニュースサイト「チャイナ・デジタル・タイムズ(China Digital Times)」の蕭強(Xiao Qiang)編集長によると、250の質問は米グーグル(Google)のオンライン討論会支援サービス、「Googleモデレーター(Google Moderator)」を使って、1万2000人近いユーザーによるインターネット投票で選ばれたが、このサイトは20日、中国当局にアクセスを遮断された。

 ダライ・ラマは今年初めからツイッターを始めている。

 中国当局はツイッターへのアクセスを制限しているが、ツイッターのデータはサードパーティーのアプリケーションやサーバーからもアクセスが可能なため、中国本土からも見ることができる。ダライ・ラマのチャット・セッションは、グリニッジ標準時21日正午(日本時間午後9時)から開始される。

 蕭氏によればツイッターのアカウントを保持している中国人ユーザーは15万人に上り、うち10万人ほどが本土在住のユーザーと思われる。

 中国政府はダライ・ラマのことを「袈裟をまとったオオカミ」などと呼び、中国からの分離独立を狙っていると非難しているが、ダライ・ラマは繰り返し、中国政府の統治は認めており、求めているのはチベット(Tibet)の「意味のある自治」だと述べている。(c)AFP