ニカブ着用で車運転のイスラム女性に罰金、フランス
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【4月25日 AFP】イスラム教徒の女性用ベール「ブルカ」や「ニカブ」を公共の場で着用することを禁じる法案の審議が予定されているフランスで、体をすっぽりと覆い目だけを出すニカブを着用して車を運転していたイスラム教徒の女性(31)に罰金が命じられるという出来事があり、人権問題をめぐり大騒動となっている。
女性は23日、アンという偽名で記者団の取材に応じた。弁護士によると、アンさんは仏西部ナント(Nantes)で2日、ニカブを着用して運転し、「視界をさえぎる」との理由で交通違反で罰金22ユーロ(約2800円)を命じられた。アンさんの弁護士は人権侵害だとして警察を強く批判している。
アンさんによると、警官は「あなたの国のことは知らないが、うちの国ではそういう格好では運転しない」と述べたという。それに対し、アンさんは「あなたの国はわたしの国でもあるんですよ。わたしはフランス人ですから」と切り返した。
アンさんの弁護士は、罰金について「現在、ニカブの着用を禁止する法律は無く」「交通安全の見地から正当化できるものでもない。一方で人権と女性の権利を侵害している」と主張。アンさんは当時、「自由に動くことができ、視界もまったくさえぎられていなかった」と述べ、「オートバイのヘルメットの方がよっぽど視界をさえぎっている」と指摘した。
フランスでは、ニコラ・サルコジ(Nicolas Sarkozy)政権が21日に、全身を覆うイスラム女性の衣装「ブルカ」と目以外の顔全体を覆う「ニカブ」について、公共の場所での着用を禁止する法案を提出する考えを表明。司法関係者からは、憲法違反の可能性もあると指摘されていた。
さらに、ブリス・オルトフー(Brice Hortefeux)内相が、この女性の夫が過激派に所属している可能性や、一夫多妻主義で12人の子どもがいる可能性があるとして移民当局に身元照会を求め、騒動はさらに複雑化している。(c)AFP/Deborah Claude
女性は23日、アンという偽名で記者団の取材に応じた。弁護士によると、アンさんは仏西部ナント(Nantes)で2日、ニカブを着用して運転し、「視界をさえぎる」との理由で交通違反で罰金22ユーロ(約2800円)を命じられた。アンさんの弁護士は人権侵害だとして警察を強く批判している。
アンさんによると、警官は「あなたの国のことは知らないが、うちの国ではそういう格好では運転しない」と述べたという。それに対し、アンさんは「あなたの国はわたしの国でもあるんですよ。わたしはフランス人ですから」と切り返した。
アンさんの弁護士は、罰金について「現在、ニカブの着用を禁止する法律は無く」「交通安全の見地から正当化できるものでもない。一方で人権と女性の権利を侵害している」と主張。アンさんは当時、「自由に動くことができ、視界もまったくさえぎられていなかった」と述べ、「オートバイのヘルメットの方がよっぽど視界をさえぎっている」と指摘した。
フランスでは、ニコラ・サルコジ(Nicolas Sarkozy)政権が21日に、全身を覆うイスラム女性の衣装「ブルカ」と目以外の顔全体を覆う「ニカブ」について、公共の場所での着用を禁止する法案を提出する考えを表明。司法関係者からは、憲法違反の可能性もあると指摘されていた。
さらに、ブリス・オルトフー(Brice Hortefeux)内相が、この女性の夫が過激派に所属している可能性や、一夫多妻主義で12人の子どもがいる可能性があるとして移民当局に身元照会を求め、騒動はさらに複雑化している。(c)AFP/Deborah Claude