【3月22日 AFP】イエメンの首都サヌア(Sanaa)で21日、全身を覆う黒いベールのアバヤ姿の女性たちが議会前に集結し、17歳未満の女性の結婚を禁じる法案に抗議した。

 女性たちは、法案に反対するイスラム教聖職者の呼びかけに応じて、バスに乗って集団でやってきた。AFP記者によると、「アラーが許したことを禁ずるな」、「人権や自由をたてにシャリア(イスラム法)を侵害することは止めろ」などと書かれた横断幕をかかげていたという。 

 2009年8月に提出された婚姻法の修正案は、17歳未満の女性、18歳未満の男性の結婚を禁止する内容だが、反対派の激しい抗議にあい、棚上げ状態となっている。

 中東の貧困国イエメンでは、農村地域を中心に子どもの結婚は珍しいことではない。両親が極貧なため8歳の女児が嫁に出される例もある。

 前年に12歳の既婚少女が出産時に母子ともに死亡した事件は、海外でも報じられ衝撃を与えた。

 婚姻修正法案の抗議運動に参加した女性の1人は、イエメンの人権団体に属する女性の多くが40歳以上で結婚もしていないと皮肉る。氏族社会の慣習が根強いイエメンでは、一定の年齢を過ぎた独身女性を見下す傾向がある。この女性は、「大学に通う女性にも結婚できない者は多い」と主張する。

 この日、議会前には修正案を支持する人権団体の女性グループもいたが、反対派の女性グループの圧倒的な多さに退散を余儀なくされた。

 イエメンの女性権利団体「Women National Committee」のHouriya Mashhour副委員長は、「8歳や9歳の少女たちを結婚させるのは理不尽で、イエメンの重要な問題だ」とため息をついた。(c)AFP/Jamal al-Jaberi

【関連記事】イエメンの裁判所、8歳の少女の離婚を認める