【3月17日 AFP】ローマ法王ベネディクト16世（Benedict XVI、82）は17日、アイルランドで大騒動を巻き起こしたカトリック神父らによる児童への性的虐待スキャンダルをめぐり、アイルランドのローマカトリック教会（Roman Catholic Church）に教書を送る考えを示した。

　ローマ法王は12日の毎週定例の一般謁見で、この問題について「深い懸念」を表明。法王は、「この数か月間、アイルランド教会は児童虐待問題によりひどく動揺している」と述べ、「この苦痛に満ちた状況に取り組むための」教書に「間もなく」署名すると述べていた。また、すでに前年12月、ローマ法王庁（バチカン）は、このスキャンダルを巡りローマ法王がアイルランド教会へ教書を送る予定であることを表明していた。

　アイルランドのローマカトリック教会の神父らによる児童虐待のまん延は、前年末に行われたアイルランド政府の調査で明るみに出た。調査に対し、ある神父は子ども100人以上に性的虐待を加えていたことを認め、また別の神父は25年間にわたって約2週間おきに未成年を虐待していたことを告白した。

　それ以後も、オーストリアやオランダ、スイス、そして法王の母国ドイツなど欧州各国のローマカトリック教会で次々と性的虐待スキャンダルが巻き上がっている。

　これまでのところ、アイルランドでの性的虐待疑惑に対するローマ法王庁の対応に対しては批判的な意見が多い。(c)AFP