【12月25日 AFP】ローマ法王ベネディクト16世(Benedict XVI、82)は25日、バチカン市国のサンピエトロ広場(St. Peter's square)に面するバルコニーで恒例の世界に向けたクリスマスメッセージを読み上げ、貧しい国からの移民を広い心で歓迎するよう先進国に呼び掛けた。

 ローマ法王は前日、クリスマスイブの深夜ミサの直前に参列者の女性に飛び掛かられ、転倒したが、メッセージを読み上げる法王はかくしゃくとした様子だった。

 ローマ法王は、サンピエトロ広場に集まった数万人の信者を前に、「飢餓(きが)や不寛容、自然環境の悪化などの理由で多くの人びとが母国脱出を余儀なくされる大量移住に直面し、(富める国の人びとに)は寛容の態度をもって移民を歓迎してほしい」と語った。また、「ローマ・カトリック教会は、自然災害や貧困の犠牲者と共にある」と述べて弱者を励ました。

 ローマ法王は世界金融危機にも触れ、危機以降、道徳観は危機にあると嘆き、「深刻な経済危機に加えて道徳の危機に直面する人びと、そして戦争、紛争の過酷な傷跡に苦しむ人びとに対し、ローマ・カトリック教会は希望を届けたい」と語った。(c)AFP


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